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徳川るり子の細腕感情記Ⅱ

2016年5月20日

何ゆえ、チェルシー・フラワー・ショーはガーデンがメインですの?


徳川るり子

愛するお父様へ

前文お許しくださいませ。

お父様、お変わりございませんでしょうか?

5月から7月にかけて、英国では英王室主催の競馬「ロイヤル・アスコット」、テニスの「ウインブルドン選手権」、クラシック音楽の祭典「プロムス」といった華やかなイベントが次々と開催され、1年でもっとも賑やかな『社交シーズン』を迎えます。この約2ヵ月にわたる期間は「ザ・シーズン(The Season)」と呼ばれており、その幕開けを飾るのが、毎年5月下旬に開かれる「チェルシー・フラワー・ショー(RHS Chelsea Flower Show)」です。

毎年15万人(!)もの人々が足を運んでいるそうで、今年の開催は5月24日~28日までの5日間とのこと。会場のロイヤル・ホスピタル・チェルシー(チェルシー王立病院)は、エドワーズご夫妻の自宅から徒歩で訪れることができます。少々悩みましたが、今年こそは行ってみようと、先日思い切ってチケットを事前購入いたしました(入場時間によってチケット代金が異なるのですが、最低金額でも33ポンド。学生のわたくしには痛い出費です…)。

ところで、英国では春から夏にかけて各地でフラワー・ショーが開催されますが、チェルシー・フラワー・ショーのメインは、花ではなく「ガーデン」です。それなのに、なぜ「フラワー・ショー」と呼ぶのでしょう? 調べてみることにいたしました。

資料をあたりましたところ、チェルシー・フラワー・ショーの起源は、1833年にさかのぼるようです。ジョン・ウェッジウッド(英国陶工の父と称されるジョサイア・ウェッジウッドの息子)が、植民地よりもたらされる様々な植物を英国で育てるため、ガーデニングの周知とその技術の進歩を促す目的で、1804年に「王立園芸協会(Royal Horticultural Society)」(RHS)を設立。1818年には初となる協会所有のガーデンをケンジントンに建設しました。しかし手狭になり、チズィックにある広大なガーデンの一部を入手。1833年に同地で花と野菜の競技会「Flower Show Chiswick」を初開催し、これがチェルシー・フラワー・ショーの起源とされています。つまり、のちに展示内容が変わっても、名称は当初のものが引き継がれたというわけです。

1861年、王立園芸協会は再びケンジントンに新たなガーデンを建設して、翌年に「Great Spring Show Kensington」を開きます。その後、会場はエンバンクメント近くのテンプル・ガーデンへ移動し、1913年以降はチェルシー王立病院で毎年開かれているとのこと。ちなみに日本の盆栽は、この頃から展示されていたようです。

ただ、英国でもっとも規模の大きなフラワー・ショーであることは間違いありませんが、もっとも歴史が古いという説については、最近の研究では「誤り」と考えられているのだとか。「西のチェルシー・フラワー・ショー」と呼ばれている、サマセットの小さな町トーントンのフラワー・ショーが、1831年にすでに開催されていたという記録が一昨年に発見されたそうです。

お庭やガーデニングに並々ならぬこだわりを持つ英国人も絶賛するこのフラワー・ショーを、来週はじっくりと堪能したいと思います。それでは今日はこのへんで。お母様にもよろしくお伝えくださいませませ。

かしこ
平成28年5月16日 るり子


とくがわ・るりこ◆ 横浜生まれのお嬢様。名門聖エリザベス女学院卒。元華族出身の25歳。あまりに甘やかされ過ぎたため、きわめてワガママかつ勝気、しかも好奇心(ヤジ馬根性)旺盛。その性格の矯正を画する父君の命により渡英。在英1年8ヵ月。ホームステイをしながら英語学校に通学中。『細腕感情記』(平成6年3月~平成13年1月連載)の筆者・徳川きりこ嬢の姪。

 

 

 

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