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No.993 7月20日発行号

週刊ジャーニーをオンラインで読む 【ホリデー特集】夏に行きたいパブ13選
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2013年3月14日

 

ご当地ワインと郷土料理&名産物①ブルゴーニュ その3

ロレーヌ地方はカエル天国?

前回(2013年2月14日号)は、マスタードで知られるブルゴーニュ地方の北の都ディジョンをご紹介した。このディジョンと、アルザス地方との間に横たわるヴォージュ山脈の麓には、カルシウム豊富なミネラル・ウォーターで有名なヴィッテルVittelの村がある。ここでは、年に1度、きわめてユニークなフェスティバルが行われている。その名を「ラ・フォワール・オ・グルヌイユ・ア・ヴィッテルLa Foire aux Grenouilles a Vittel」といって、何と「カエルを食べる」お祭りだ。ヴィッテルはヴォージュ山脈の西側山麓に位置し、その東側山麓斜面にアルザス地方がある。アルザス地方はフランスでも特に雨が少なく、ブドウ栽培に理想的な天候に恵まれた地方だが、ヴィッテルが位置するロレーヌ地方はまったく逆で、非常に雨が多く、カエルの天国ともいうべき沼が多い。

7トンのカエルの饗宴

英国人はフランス人をばかにして『カエルfrog』と呼ぶが(ちなみに、フランス人は英国人を『Rosbifs(ロースト・ビーフ)』と呼ぶ)、フランスでは実際にカエルを食べる。もともと11世紀の食糧難の折に、貧しい人たちが食べ始めたのだそうだが、19世紀には上流階級の人々も好んで食べるようになったとされている。そんな、いかにもフランスらしいこのフェスティバルは、1972年に結成された「Confrerie Fete de la Grenouille(『カエルの饗宴団体』とでも訳せるだろうか。団員は緑色のマント、緑色の帽子、黄色のマフラーをまとう)」=写真=によって始められ、41年目を迎える
2013年は4月27日(土)、28日(日)に実施される予定だが(右下のポスターは2009年のもの)、毎年、世界中から約5万人もの観光客が集まり、2日間のフェアで約7トンのカエルを食べつくすというからすごい。カエルを食べるといっても腿の部分のみで、ガーリックを用いて調理し、「フイッテFeuillete(パイの一種)」などを添えて供されるのが一般的。カエル30キロから食材として得られる腿はわずか1キロ程度とされ、この2日間で消費される腿をまかなうのに、とてつもない数のカエルが『貢献』を果たすわけである。
ところで、ブルゴーニュ・ワイン産地の北端、シャブリ地区には7つのグラン・クリュ(特級)畑があるが、その中にも「グルヌイユGrenouille(カエル)」と名付けられた畑がある。実は、筆者の最もお気に入りのシャブリである。今年の4月27・28日の週末にシャブリを訪ね、年代もののグルヌイユ・グラン・クリュのワインを味わい、ヴィッテルに足をのばして「La Foire aux Grenouilles」のフェスティバルを覗いてみるのも良さそうだ

案外知られていないお勧めワイン

さて、ブルゴーニュの北の都、ディジョンのすぐ南に位置する意外と知られていない、2つの村のワインをご紹介しよう。ひとつは、ロゼ・ワインの産地マルサネMarsannay、もう一つは赤ワインのフィサンFixinだ。両方ともピノ・ノワール単一品種から造られる。
マルサネのロゼは柑橘類の持つすっきりとした味わいを残しながら、熟した桃や花の風味を呈す辛口のワインで、肉料理にもよし、魚料理にも、そしてカナッペやおつまみにも合わせやすいという、万能型。値段も手頃なのがうれしい。一方のフィサンFixinでは白ワインも多少作っているが、赤ワインの方が高く評価されている。ジュヴレ・シャンベルタンのすぐ北に位置しているだけあって、ブルゴーニュの赤としては色調も深く、スミレやシャクヤク、カシスや花梨、そして獣や黒こしょうの香味を呈す力強い赤ワインを造っている。お隣の有名なジュヴレ・シャンベルタンよりお買い得であることも覚えておいていただきたい。特にフィサンのプレミエ・クリュ(一級)がお勧めだが、少なくとも3年は寝かしてから楽しみたい。ダックやキジ料理との相性の良さには定評がある。

ミヨコ・スティーブンソン Miyoko Stevenson
WSETディプロマ取得。Circle of Wine Writers会員。Chevalier du Tastevin(利き酒騎士)団員。Jurade de St-Emilion団員。International Wine Challenge審査員。The Guild of Freemen of the City of London会員。ワイン関連の訳書・著書あり。現在、ロンドンでワイン教室を主宰。
www.miyokostevenson.co.uk
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