logo
 

週刊ジャーニー最新号 eBook

週刊ジャーニー最新号表紙

No.989 6月22日発行号

週刊ジャーニーをオンラインで読む 【特集】ごくウマ3選
「ピクニック・メニュー」のレシピ
  • 英国時間の木曜17時更新
  • 紙版の定期購読はこちら

2013年6月13

 

ご当地ワインと郷土料理&名産物①ブルゴーニュ その6

 

1本100万円以上の伝説の存在

謎に満ち、感覚美にあふれ、すべてを超越した神話的な存在ですらあり、しかも世界で最も高値のワイン…と言えば、ロマネ・コンティRomanée Contiだろう。前回ご紹介したクロ・ド・ヴージョの南、ヴォーヌ・ロマネ村にある畑だ。ブルゴーニュの場合、グラン・クリュ(特級)のワイン名は畑名を名乗る。このヴォーヌ・ロマネ村にはこの他に、ラ・ロマネLa Romanée、ロマネ・サン・ヴィヴァンRomanée Saint Vivan、リッシュブ-ルRichebourg、ラ・ターシュLa Tâche、ラ・グランド・リューLa Grande Rueと計6つものグラン・クリュ畑があり、コート・ドール(黄金の斜面)の中でも特に神の恵みの厚い村として知られている。しかし、いずれも畑は非常に小さく、ロマネ・コンティで1.63ha、そして、ラ・ロマネ以下はそれぞれ0.85ha、9.4ha、8ha、6.1ha、1.65haにしか過ぎず、ボルドー1級格付けのシャトー・マルゴーの畑の広さが約90haであるのと比べると格段に小さい。
従って、生産量も非常に限られている。ロマネ・コンティの場合には、2003~07年の年間生産量の平均が5,600本で、2008年には3,500本(1本/750ml)だったという。2010年10月に行われたオークションでは、77本のロマネ・コンティが合計で75万609米ドル、また今年行われたオークションでは1990年もの3本が7万2,000米ドルで競り落とされた(ヴィンテージによるが、日本でもロマネ・コンティ1本の小売価格は百万円ほど)。
ロマネ・コンティとラ・ターシュは、「ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティDomaine de la Romanée Conti」社が独占所有しているので、他の造り手によるこの2つのワインは存在しないが、他の4つのワインなら、造り手によっては1本10万円以下で入手することも可能だ。これらのワインは30年間は瓶の中で熟成し続け、「精妙」「神秘」「絶妙」といった言葉で表現される官能的な味の極美を呈するようになるという。

国王の病を治したワイン

さて、このロマネ・コンティについては数々の伝説が語り継がれているが、いったいいつから有名になったのかというと、ルイ14世(1638~1715年)の時代。痔病で悩んでいた同王が、それまで処方されていたシャンパーニュの赤ワイン(非発泡)では効き目がないと訴えたため、古いブルゴーニュの赤ワインを処方され、それを飲んだところ回復した―という逸話に起源している。また、ルイ15世(1710~74年)の時代においては、王の寵姫、ポンパドール夫人と、王に対する影響力の強かったコンティ公が事あるごとに張り合い、売りに出されたロマネ・コンティの畑(その頃は、ヴィーニュ・ドゥ・ラ・ロマネVigne de la Romanéeと呼ばれていた)を競って欲しがったという話も有名。結局、1760年にコンティ公がその時代としては並外れた高値で入手し、それ以来、畑がロマネ・コンティと呼ばれるようになったというわけだ。ところで、この「ロマネ」という言葉だが、これは「古代ローマ」をさし、大昔、ローマ人への感謝の思いを込めて、ヴォーヌ村が村最良の畑にロマネの名をつけたと信じられている。
ロマネ・コンティが無理でも、ヴォーヌ・ロマネ村名称のワインは入手可能。村名ワインで1本約40ポンド、1級畑ワインではその倍ほどになるが、シルヴァン・カティアールSylvain Cathiard、ドメーヌ・ルネ・アンジェル Domaine Rene Engel、ドメーヌ・モワラール・グリヴォーDomaine Moillard-Grivotのものは特にお勧めしたい。

フランスの誇る肉牛

今回ご紹介するブルゴーニュ地方の名産物は、シャロレー牛肉Charolais beef=写真。コート・ドールの南、リヨンの北北西あたりにあるシャロレルCharolles村発祥で、フランス最古の肉牛だ。毛色は白もしくはクリーム色の大型牛で、筋肉質で脂身が少なく肉が特に柔らかい。中がまだレアに残るようにローストし、肉汁があふれるような柔らかい肉を、ヴォーヌ・ロマネのワインとほお張ってみたいものだ。

ミヨコ・スティーブンソン Miyoko Stevenson
WSETディプロマ取得。Circle of Wine Writers会員。Chevalier du Tastevin(利き酒騎士)団員。Jurade de St-Emilion団員。International Wine Challenge審査員。The Guild of Freemen of the City of London会員。ワイン関連の訳書・著書あり。現在、ロンドンでワイン教室を主宰。
www.miyokostevenson.co.uk
e-mail : 
このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。

 

週刊ジャーニー最新号 eBook

週刊ジャーニー最新号表紙

No.989 6月22日発行号

週刊ジャーニーをオンラインで読む 【特集】ごくウマ3選
「ピクニック・メニュー」のレシピ
  • 英国時間の木曜17時更新
  • 紙版の定期購読はこちら
写真で旅するロンドン @journey.london


2017年 06月 22日

2017年 06月 23日

2017年 06月 21日

2017年 05月 26日