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2015年9月10日

 

ご当地ワインと郷土料理&名産物⑪イタリア・ピエモンテ州 その1

霧の季節に採れるブドウ


この夏こそはダイエットを…と思いつつその成果を見る間もなく、食欲の秋に突入してしまった。秋は、ことさら美味しい旬のものが多い。イタリア北部トリノを州都とするピエモンテ州アルバは、この時期、世界三大珍味のひとつ、トリュフの中でもさらに希少で『白いダイヤモンド』とも呼ばれる、白トリュフの収穫を祝うフェスティバルが開かれ、世界中からのバイヤーや観光客でにぎわう。アルバ村のあるランゲ地域はアルプス山脈の麓から続く丘陵地帯で、この季節、紅葉時期の異なるブドウによって、丘陵全体が赤、黄色、そして緑と、まるでパッチワークのじゅうたんにでも覆われたかのように見事に彩られる。粘土質と石灰岩質土壌からなるこの丘陵は「The Wine of Kings, the King of Wines(『王様のワイン、ワインの王様』)」と称されるバローロBaroloの赤ワインで有名な地区でもある。バローロはネッビオーロNebbiolo種というブドウ品種だけから造られる。ネッビオーロは果実の成熟が遅く、他の品種のブドウの葉が紅葉する10月になってもまだ緑色。収穫は、霧が発生する10月末~11月にかけて行われたために、その品種名は、イタリア語で「霧」を意味する「ネッビアnebbia」に因んで名付けられた。

王様のワイン、ワインの王様

なぜ、バローロが『王様のワイン』なのかというと、この地域は昔、王や貴族たちのハンティング(狩り)場として人気で、彼らが特に好んだワインだったからだ。では、なぜ『ワインの王様』なのかというと、イタリアは世界でも1、2を争うワイン生産国だが、バローロは紛れもなく同国のワインの王といえる存在だからだ。バローロは若い時はタンニンと酸が強く、タール、スミレ、バラ、スパイスといったアロマを持ち、熟成すると、色がレンガ色を帯びたガーネット色に変わり、しおれたバラや白トリュフ、土といった魅惑的なブーケに変わる。野鳥類、鹿、ウサギ、猪をローストし、ソテーしたキノコを添えた料理によく合う。この時期には、地域一帯のレストランで白トリュフを味わうことができ、バローロとのマリアージュはひときわさえる。代表的なワインとしては、アルド・コンテルノAldo Conterno、プルノットPrunotto、パオロ・スカヴィーノPaolo Scavino、そして「バローロ・ブラザース」として有名なブルーノ&マルチェロ・チェレットBruno e Marcello Cerettoなどがある。

 

バローロ以外の上質ワイン

この地域には、ネッビオーロ種の他にも上質のワインをつくる幾つかの品種がある。酸味が高くてタンニンが少ないバルベーラBarbera種は、ネッビオーロ種では調和させることが難しい、新しいオークとの相性が良い。サワー・チェリーの風味を持ち、葉はネッビオーロ種より2週間ほど早く紅葉する。「バルベーラ・ダスティBarbera d’Asti」というように、ラベルに品種名と産地が書かれることが多いのも特徴。また、バルベーラとは異なり酸味が少なくタンニンが豊富なワインを造るドルチェットDolcettto種がある。葉はネッビオーロ種より4週間ほど早く紅葉する。ワイン造りの際にはオークの新樽を使うことはめったになく、フルーティーでリコリスの風味をもち、大半は収穫から2~3年で消費するように造られている。なお、アルバ周辺は赤ワインで有名であることは既に述べたが、お薦めしたい白ワインとして、アーモンド風味をもつロエロ・アルネイスRoero Arneisがある。

一度は訪れたいお祭り

さて、今年のアルバの白トリュフ・フェスティバルは、10月10日から11月11日の5週間行われる。一生に一度は訪れたいフェスティバルのひとつだろう。初日には伝統的なロバのレースもあるほか、5週間に渡って白トリュフをはじめ何十種類にも及ぶキノコを売る出店や郷土料理の屋台、ゲームやイベントなどで狭い道が埋まる。この時期、ホテルを確保するのが多少困難だが、現地には、「Piedmont Food and Wine(www.piedmont-foodandwine.com/piedmont-bespoke-tours.php)」や「Tasting Tours(www.tastingtours.it/tours/piedmont/food-wine-tours)」のように、宿泊も含め、周辺のワイン産地巡りを事前にアレンジしてくれる組織もあるので、利用するのも一案。秋の週末旅行に出かけてみてはいかがだろう。

 

ミヨコ・スティーブンソン Miyoko Stevenson
WSETディプロマ取得。Circle of Wine Writers会員。Chevalier du Tastevin(利き酒騎士)団員。Jurade de St-Emilion団員。International Wine Challenge審査員。The Guild of Freemen of the City of London会員。ワイン関連の訳書・著書あり。現在、ロンドンでワイン教室を主宰。
www.miyokostevenson.co.uk
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