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2012年3月29日

●取材・執筆/佐々木 敦子・本誌編集部

 

早すぎた美の殉教者
オスカー・ワイルド
Oscar Wilde

ヴィクトリア朝の英国で、「才気溢れる世紀末のダンディ」として活躍し、
スキャンダラスな人生を歩んだオスカー・ワイルド。
今号の『Great Britons』では「番外編」として
アイルランド出身のワイルドを取り上げ、その短くも華やかな一生を辿る。

 

キス・マークの絶えぬ墓

 オスカー・ワイルドの死から111年が経過した2011年12月、パリ東部のペール・ラシェーズ墓地には、記念式典のため多くの人々が集まった。そこには、ワイルドの原作を映画化した『理想の夫』に出演した英俳優のルパート・エヴェレットなどと並び、ワイルドの孫で作家のマーリン・ホランド(Merlin Holland)氏の姿もあった。彼らは新たに修復されたワイルドの墓のお披露目式に立ち会ったのだ。
パリで客死したワイルドのために1914年に出来上がったこの墓は、当時の現代彫刻家ジェイコブ・エプスタインによってデザインされ、以来ワイルド・ファンの巡礼地となっている。


最初はパリ郊外の貧相な墓地に葬られたワイルドだったが、
1909年にペール・ラシェーズ墓地(Pre Lachaise Cemetery)に改めて埋葬された。

 1990年代、ワイルドの死後100年に向けて、映画、特別エキシビションなど様々な記念企画が実現したおかげでワイルド・ブームが再燃した。誰かが墓石にキスすることを思いついたらしく、それに倣う女性が続出。墓石の天使の像がファンの残した赤いキス・マークで覆われる事態となった。この墓は、多くの有名人が眠るペール・ラシェーズ墓地の中でもひときわ目立つものの一つだが、長年の間に口紅の油が石に染み込んで損傷が進んだため、これらのキス・マークを徹底的に洗い落として修復する作業が必要になったのだという。
墓石が傷む程のキスを受けた人気作家オスカー・ワイルド。果たして彼は生前にも同様の扱いを受けていたのだろうか? その生涯を追ってみよう。

 

 

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