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2013年6月20日

取材・執筆・写真/名越 美千代・本誌編集部

ケントの麗しき名園
シシングハースト
キャッスル・ガーデンを征く

 

シシングハースト・キャッスル・ガーデンは、
庭園を愛する人々のあこがれの地。
観光シーズンともなれば1日20台もの団体バスが
続々と到着することもあるという。
しかし、どれほど大勢の人々が詰め掛けようと、
ここにはどこか隠れ家的な雰囲気と秘められた美しさが漂う。
それは、この庭を創りあげた女性作家、
ヴィータ・サックヴィル=ウェストの
詩的な感性が、今も息づいているからかもしれない。

 

多くの役を演じた麗人

 ヴィータ・サックヴィル=ウェスト(Vita Sackville-West)には肩書きが多い。
征服王ウィリアム1世の時代から続く名門サックヴィル家の娘、女流作家・詩人、エリート外交官の妻、二児の母―これだけでも十分、華やかな生涯を生きた人物と語るに足りるだろう。
ヴィータの場合、このあと、さらに続く。同性愛者、女流作家ヴァージニア・ウルフの恋人、夫と「オープン・マリッジ」を公言しつつ夫との夫婦仲を終生続けた女性。120年前に生まれ、現在より格段に保守的だったであろう英国社会で、これほど奔放に生きることは決して容易なことではなかったはずだ。
この女性をつき動かしていたものは何か。ほとばしる情熱か、とぎすまされた感性か。あるいはこうした言葉では言い表すことのできないような、魂の慟哭か。
確かなことは、この類まれなる人物が精魂を注いだ庭が、いまもケントに存在するということだ。今号では、この庭と、ヴィータ・サックヴィル=ウェストについてお送りすることにしたい。

 

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