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2014年4月17日

●征くシリーズ●取材・執筆・写真/名越 美千代・本誌編集部

おいしい魚が待っている!
ビリングズゲート魚市場を征く

ロンドンの卸売り市場といえば、 肉のスミスフィールド、
野菜のニュー・スピタルフィールズに
生花と青果のニュー・コベントガーデン、
そして、魚ならばビリングズゲート。
英国の魚事情も以前とは少しは変わってきたものの、
日本人の舌と胃袋を満足させる魚屋や鮮魚コーナーは
日系以外ではなかなかみつけられないのが実情だ。
新鮮な魚を割安価格で手に入れたいなら、自力で魚市場に出向くのみ!
早朝のまだ暗いうちに家を出るのは、とてもつらいけれど、
「早起きは三文の徳」を実感しに出かけてみたい。

 

東ロンドンで異彩を放つ竜宮城

 英国在住の経験がある方々には、久しぶりの日本帰国時にスーパーマーケットの鮮魚コーナーを歩く時に味わう、わくわくするあの感じを分かっていただけることだろう。「あんな魚も、こんな魚も! しかも、このお値段で!!」と、思わずアドレナリン値が高くなるのは、英国暮らしの反動だ。
四方を海で囲まれた島国であるにもかかわらず、英国の魚事情には日本とは大きな隔たりがある。ここ十数年で全体的にバラエティは増えたように思われるが、身近なスーパーマーケットで手軽に買える魚介類といえば未だに、タラ、サケ、サバ、マス、あとはムール貝に冷凍のエビ、イカくらい。しかも、鮮度がいまいちである上に値段も高い。おいしい魚が手軽に手に入らないという現実は在英日本人にとって深刻な悩みのひとつであるといっても過言ではないだろう。
ビリングズゲート魚市場は、そうしてたまりにたまったストレスを解消するにはうってつけのお出かけ先だ。肌寒い夜明け前にベッドから出るのは至難の業だが、なんとか魚市場にたどり着き、まだまだ薄暗い闇に向かって人工的な電光を放つマーケットの入り口を通り抜けることさえできれば、活きの良い魚介類が詰まったトロ箱が所狭しと並んでいる光景を目の前にして「来て良かった」と心の底から思えるはずだ。ここは、魚好きの在英日本人の目にはまさに、タイやヒラメが舞い踊る竜宮城、心躍ること間違いなしの夢の魚市場なのである。

 ビリングズゲート魚市場の現在の所在地は、東ロンドンのウォーターフロント再開発地域、ドックランズ地区である。もともとはロワー・テムズ・ストリートにあった旧ビリングズゲート魚市場を、このドックランズに移転させる、1千百万ポンドをかけた大プロジェクトが敢行されたのは32年前のこと。旧市場を1982年1月16日に閉鎖し、3日後の1月19日にビリングズゲートの名はそのままに、新たにここでオープンした。ちなみに、ビリングズゲートの名前の由来は正確にはわかっていないが、荷揚げに使われていたシティ南側の水門の持ち主だったと思われる人物「Billing」氏から取られたという説と、伝説の古代英国王「Belin」(紀元前400年頃在位)にちなんだものという説とがあるという。
移転当時はまだ、ドックランズ地区の再開発が本格的に始まったばかりで、一帯はかなり殺風景だったが、今ではドックランズ・ライト・レイルウェイ(DLR)も開通し、市場周辺は大ビジネスエリアに変貌を遂げた。屋根に風見鶏ならぬ風見魚を掲げた市場の建物の向こう側にはロンドンの新金融街、カナリー・ウォーフに象徴されるワン・カナダ・スクエアをはじめ、HSBCやシティ・バンクといった大手銀行や有名ホテルの高層ビルが競い合うようにそびえ立っている=写真右。魚市場と摩天楼―その組み合わせがまたユニークで、独特の眺めを作り出している。

 

 

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