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2014年9月18日

●征くシリーズ●取材・執筆・写真/本誌編集部

本場フランスに迫る『泡』のきらめき
イングリッシュワインが飲みたい!

 

ありとあらゆる分野において伝統と歴史を誇る英国で
今、発展途上の真っ只中にあるもの、それが国産ワイン。
ブドウ畑は年を追うごとに増え、
数十年前までは「英国産ワインなんて」と冷笑される存在だったが、
現在では国際的に権威ある賞を与えられ名声を日増しに高めている。
今号では、世界中から関心を注がれる英国産ワインの魅力に迫る。

 

ワイン界の注目株 英国産スパークリング・ワイン

 英国で造られるお酒と言えば、パブの定番エール・ビールやサイダー、ジン、そして主要な輸出品のスコッチ・ウィスキー。ワインはそれらの陰にすっぽりと隠れてしまい、「英国でもワインができるの?」という程度の認識の英国人は少なくない。アカデミー賞受賞俳優で脚本家のピーター・ユスティノフ(1921〜2004年)はかつて、「几帳面なイタリア人、ユーモアのあるドイツ人、イングランドのワイン」と表現し、そのあり得なさぶりで笑いを誘ったとされるが、イングランドをはじめ英国で造られるワインは長年そういう存在としての扱いを受けてきた(おそらく今も大多数の英国人がそう思い込んでいるだろう)。
だがそれは仕方のないことだ。英国、なかでもロンドンは世界随一のワイン市場といわれ、近隣のワイン王国フランス、イタリア、スペインのほか、ニューワールドと呼ばれるオーストラリア、米国、南アフリカなどからの『実力者』が勢ぞろいすれば、わざわざ「英国産」を登場させる意義などどこに見いだせるだろうか。
しかし、実際にはイングランド、ウェールズではワイン造りがひたむきに行われており、今、それらを取り巻く景色に劇的な変化が起きている。国際的なワインの品評会で英国産ワイン(※)、なかでもスパークリング・ワインは、その王者として君臨するシャンパーニュに並び、ときにそれらを抑えて賞に輝いているのだ。イングリッシュ・ワイン・プロデューサーズ(英国産ワインの販売協会)によると、過去15年間のうちに、英国産スパークリング・ワインは国際品評会で、白とロゼの両方を合わせて12の最優秀賞(トロフィー)を獲得。「これは他の国は成し遂げていないことだ」と同団体は強調する。
英国産はいまやワイン界で一目置かれる存在になり、日ごとにきらめきを増している。そんな状況にある美酒をより美味しく味わうべく、5つのキーワードから英国産ワインの実力を探ってみたい。

数字で知る英国産ワイン

430

現在イングランドおよびウェールズにあるブドウ畑の数はおよそ430で、総面積は約1500ヘクタール。この数は2004年から現在までに倍増したとされ、その興隆ぶりを認めることができるだろう。

0.1%

生産量はまだまだ少なく、FAO(国際連合食糧農業機関)によると、年間1500トン(2012年)。この数は年間およそ528万トンのフランスの0.1%にも及ばず、たとえば産地としてあまりなじみのないウズベキスタン(約2万トン)と比較しても7%程度にとどまる。

60%

出荷本数は、年間258万本(2007~11年平均)で、数々の賞を受賞するスパークリング・ワインが英国産ワイン界を牽引する。特に2010年以降は白ワインを上回る数のスパークリング・ワインが造られるようになり、現在では生産量のおよそ6割程度をスパークリング・ワインが占める(ちなみに白ワインが3割。残りの1割が赤、ロゼ)。シャンパーニュの生産量が年間3億本超とされることから、英国産スパークリング・ワインの数は雀の涙ほどだ。だが、そこから世界に名だたるワインが誕生している事実は特筆すべきことだろう。

21%

英国で植えられるブドウ品種のトップ3は、シャルドネ種(21.10%)、ピノ・ノワール種(19.34%)、バッカス種(9.02%)。

50%

新しく植えられるブドウ品種の約50%は、スパークリング用。各ワイナリーはスパークリング・ワイン造りに力を入れており、さらなる飛躍に期待が高まる。

参考: イングリッシュ・ワイン・プロデューサーズ
FAO(国際連合食糧農業機関)

 

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