logo
 
2013年11月7日 No.804

●サバイバー●取材・執筆/佐々木 敦子・本誌編集部

 

 英国において、保守・自民党の現連立政権が、「前労働党政府が寛容な政策を取ったことにより、大量の移民が流入した。現在そのために本来国民が受けるべき公共サービス(医療・教育)が脅かされている」として、英国民優先の方針を全面に押し出しているのはご存知の通りだ。だがその一方で、2014年1月には新たにブルガリアとルーマニア国籍の人々が英国の労働市場に本格的に参入するなど、今後両国からのさらなる移民流入も予測される。
英政府はこれに対し、EEA加盟国以外の出身者で英国に6ヵ月以上滞在する人のすべてに対し、NHS(国民医療保険サービス)など、一部の社会保障サービスを有料化する計画を立てている。つまり、我々日本人を含む非EEA加盟国出身者への「しわ寄せ」が、以前にもまして厳しい形で押し寄せる見込みが強いと言わざるを得ないのだ。
今年7月にはクロアチアが新たにEUに加入するなど、欧州内の民族移動はまだまだ落ち着く様子はない。この原稿を準備している、今この瞬間にも、新たな移民政策が打ち立てられようとしているかもしれず、まったく予断を許さない。果たして、この国で学びたい、働きたいと考える我々に対抗策はあるのか。
3号にわたって、我々日本人にとって関係の深いビザの変更点を中心に、奇々怪々とさえいえる現在の複雑なビザ事情をお届けしている。中編となる本編では、「Tier 2」について述べたい。また、「Tier 4」、そして興味深い変更のある「Tier 5」については、少し先のことになるが、28日号にてご紹介しよう。

 

※EEA(European Economic Area=欧州経済地域)加盟国は次のとおり(13年11月1日現在):オーストリア、ベルギー、ブルガリア、キプロス、チェコ共和国、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、アイルランド、イタリア、ラトヴィア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア 、スロヴァキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、英国

 

本稿執筆にあたり、ロンドンを拠点に、多国籍企業専門の法律業務に携わっているBAKER & MCKENZIEおよび、同社のイミグレーション・スペシャリストである藤本静子氏には、多大なるご協力・ご助言をいただきました。この場をお借りし、厚く御礼申し上げます。
※本稿内にある情報は2013年10月20日現在のものです。予告なく頻繁に変更が加えられている状況である点、ご了解ください。また、紙面に限りがあるため、注意点、あるいは例外など、ここでご紹介しきれなかった事柄も少なからずあることをご了承ください。

 

 

2017年 04月 20日

2017年 04月 21日

2017年 04月 26日

2017年 04月 01日