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2013年12月5日 No.808

●サバイバー●取材・執筆/名越 美千代・本誌編集部

 

男性読者も注目!の英国スパ事情
私をスパに連れてって!

 

 

英国で「スパ(spa)」という言葉を見かけることは少なくない。
直訳すると「温泉」だが、日本の温泉とは違いそうだ。
とすれば、いったい、どんなところだろう?
どんな設備やサービスがあって、なにができる?
どうやって選べばよい?
「スパ」初心者の人から、利用してみたいが迷っているという人までを対象に、
ロンドンを中心とした英国スパ事情をお届けする。
試してみたいスパをみつけて、この年末年始、出かけてみては?

 

「療養地」から「癒しの場所」へ
英国で「スパ(spa)」という言葉をよく耳にするという読者の方は少なくないはずだ。
しかし、英和辞典では、「鉱泉(地)、温泉(地)」と記されているものの、英国ではどのような場所のことを実際には指すのだろうか。例えば日本では、しばらく前までなら飲み食いやカラオケまでできる娯楽要素の強いスーパー銭湯、リゾート気分を楽しめる日帰り温泉を指すケースが多かったようだが、最近は、この言葉からラグジュアリーな香りも漂うようになっていると聞く。
もともと、単語自体は、ベルギーのリエージュにある都市「スパ」の名前に由来する。この街には鉱泉があり、14世紀初頭から療養地として親しまれていたことから、これが語源となってスパが療養温泉を示すようになったという。温泉療養地はハンガリーやドイツなど欧州各地に数多くあり、英国にもバース(Bath)という古代ローマ時代に温泉の湧く地として発展した街があるのはご承知の通り。ただ余談だが、こちらの街の名称は浴場を指す「バス(bath)」という言葉が先にありきで名づけられたものらしい。
さて、活火山のない英国で、天然の「温泉」として入浴に利用された歴史のある場所は、前述のバース程度。入浴といえば湯をわかして浴槽にためるしかなく、経済的に余裕がなければ楽しめないぜいたくな行為だった。
この英国に変化が訪れたのは19世紀半ば。一般家庭への風呂の普及率が低かった1850年代にハマムとよばれるトルコ風スチーム風呂(ターキッシュ・バス)が持ち込まれ、以後150年の間に英国内には600軒ものハマムが公共設備として作られた。そして、今もまだ、その一部は市民に愛用されている。日本ほどではないにしても、温泉や風呂が連想させる癒しのイメージは英国にもしっかり根付いていたといえる。
この点を巧妙に活用したのが、ホテルなどのホスピタリティ産業と美容産業だ。昨今の英国では、温泉や風呂が実際にあろうがなかろうが関係なく、スパという言葉が多用されている。街角の小さなビューティ・サロンからプールやサウナなどが併設された5つ星ホテル内の施設まで、区別なくスパと呼ばれるに至っているのだ。単語の「スパ」が本来備えていた、「療養」の部分だけが独り歩きして、ストレスや体の疲れを解消したり、癒しを与えてくれたりするサービスを提供する場所を示すようになっている。
経緯はさておき、ストレスで心身をすり減らしがちな現代人がとにかく癒しを求めているのは確かな事実だ。
数多くのスパが、顧客獲得にしのぎを削っている現状からもそれは明らか。しかし、選択肢が豊富であるのは有難いが、反面、迷って決められない、とお悩みの読者もおられるだろう。希望と目的をはっきりさせ、おびただしい数のスパの中から、自分にあったスパをみつけるためのヒントを、今号ではお送りしたい。  

 

 

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