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英国に関する特集記事 『サバイバー/Survivor』

2016年6月2日 No.935

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英国民の誇り{祝90歳}女王陛下に乾杯

英国民の誇り

祝90歳 女王陛下に乾杯

今年90歳を迎えたエリザベス女王。昔と変わらず日々の公務をこなし、時間が許せば今でも乗馬を楽しむというスーパー・ウーマンぶりを発揮するが、夫のエディンバラ公(94)と仲睦まじく、ジョージ王子やシャーロット王女などひ孫たちにも恵まれる家庭人でもある。今回は、6月11日の公式誕生日を前に、王室関係者が語ったエリザベス女王に関するエピソードの数々をお伝えしよう。女王の思わぬ素顔が見えてきそうだ。

●サバイバー●取材・執筆/佐々木 敦子、本誌編集部

お札や切手に印刷され、「英国のピンナップ・ガール」として長きに渡り英国と連邦国の首長として君臨するエリザベス女王は、1926年4月21日、ヨーク公アルバート王子とエリザベス妃の長女として、メイフェアにある母方の祖父宅で誕生。父親のアルバート王子は、コリン・ファース主演の映画 『英国王のスピーチ』のモデルともなった、シャイで吃音に悩む王様(当時は公爵)といえばわかりやすいだろうか。兄のエドワード8世が結婚歴のある米国人女性、シンプソン夫人と結婚。英国国教会の長でもある国王にとって、離婚歴のある女性との結婚は許されない。それでもエドワード8世は、愛を選び国王の座を捨てたため、1936年に王位は弟であるこのアルバート王子(後のジョージ6世)に突然もたらされた。エリザベスは当時10歳。父親が国王になることは、男の兄弟を持たないエリザベスが将来王位を継承することを意味した。家族からは「リリベット」という愛称で呼ばれ、幼少時から馬や犬など動物好きな未来の女王は、生真面目な面もありながら、野外で奔放に遊ぶ少女だった。

25歳で女王となった1952年当時の英国は、第二次世界大戦が終わっていたとはいえ、配給制度は続いており、多くの国民が耐久生活を余儀なくされていた時期。「私は皆さまの前で宣言します。私の命のすべてを、長かろうと短かろうと、皆さまと帝国の家族への奉仕に捧げます」と、即位に先駆け既に声明を出していた、若くて美しい女王が誕生したことで、新しい時代の到来を実感した人々も多かったのではないだろうか。それから65年。チャールズ皇太子をはじめとした子供達の離婚、ウィンザー城の火災、ダイアナ妃の事故死など、さまざまな出来事を乗り越えながら、今も英国君主として活動しているのは驚くべき、そして喜ばしいこと。たとえアンチ王室派であろうとも、心身ともに元気な90歳・現役の女王には拍手を贈らずにはいられないだろう。高齢化社会の星としても、エディンバラ公と共にこれからもますますお元気で過ごされることを祈りたい。

素顔に迫る 15のストーリー

エリザベス女王とはどんな人物なのだろう。
王室関係者が語ったエピソードから、女王像が浮かび上がる!

1「彼らのような夫婦になりたい」

Photo: Library and Archives Canada
戴冠式(1953年)の際に撮影されたエリザベス女王とエディンバラ公。
いつも仲睦まじい女王とエディンバラ公だが、初めて女王がエディンバラ公に出会ったのは、女王がまだ13歳のとき。18歳の公は長身+金髪碧眼で評判のハンサム。そんな彼がある日、テニス・コートのネットをひらりと飛び越えて、女王の元にやってきたのだとか。まさに「The王子」そのものの姿にハートを奪われ、将来結婚するなら絶対この人、と決めたのだそう。そのスマートな姿とは裏腹に、大層口の悪いエディンバラ公にハラハラしながらも、公を見るときの女王の瞳は今でもキラキラしているらしい。彼の掟破りの暴言が、実は規則づくめの女王の息抜きになっているのだ、とはエディンバラ公ご本人の弁だ。そんなラブリーな仲良し祖父母を見て育ったウィリアム王子は、自分も彼らのようにキャサリン妃と末長く幸せな夫婦でいたいと発言している。両親の悲しい別れを経験している王子だけに、単なる美辞麗句ではなさそうだ。

2愛犬コーギーへのイタズラは禁物!

女王の犬好きは有名だが、特に小さな牧羊犬ウェルシュ・コーギーと女王の関係は深い。父のジョージ6世から18歳の誕生日に初めて3頭のコーギーを貰ったのがそもそもの始まりだった。その中の1頭スーザンは女王の新婚旅行にも同行したほどの愛されよう。女王はコーギーのブリーダーでもあり、今までに飼った30 頭あまりのコーギーは、すべて最初の犬スーザンの子孫だという。現在女王の元にいるホリーとウィローは14代目とのこと。彼らは皆大事に育てられ、銀や白磁の食器で専用シェフの作った食事をとるが、あるとき、酒に酔った召使いの1人が、コーギーの水の入れ物にウィスキーを注ぐイタズラをしたからさあ大変。怒った女王陛下は、すぐこの召使いを左遷したそうだ。故ダイアナ妃は、女王の足元にまとわりつき、女王の行くところへはどこへでもついて行くコーギーたちを、「歩く絨毯」と評している。

3「悩ましきX'masプレゼント」

© tsaiproject
初めてキャサリン妃が王室の一員としてクリスマスを共に過ごすことになったとき、困ったのは女王へのプレゼント。好みのわからない義理の家族へのクリスマス・プレゼントには誰しもが頭を悩ませるが、義祖母が何でも持っている英国女王であれば、そのプレッシャーもひと際大きいだろう。そんなキャサリン妃が女王に贈ったのは彼女の祖母のレシピだという、ウリ科の野菜マローを使った手作りの「チャツネ」。インド本国ではカレーのお供として利用されるジャム状の調味料だが、英国ではコールドミートやチーズと共に食される。英国で最初に販売したのは王室御用達フォートナム&メイソンだそうなので、れっきとした「ポッシュな」調味料だ。クリスマス・イブに女王に手渡された手作りチャツネは、翌日の朝食のテーブルにちゃんとのっていたといい、それを見つけたキャサリン妃は、女王の心遣いを嬉しく思ったそう。

4 「祖母というより女王は上司」

© DoD News, photo by EJ Hersom
ハリー王子は女王を祖母と思ったことがほとんどなく、「尊敬すべき厳しい上司のようだ」と、あるインタビューで語っている。現在31歳のハリー王子だが、もっと若い頃ははっちゃけ過ぎてゴシップ記事に登場する回数も多く、優等生のウィリアム王子と比較されることもしばしば。女王に王室メンバーとしてのあり方をたしなめられていたのかもしれない。当の女王は幼い頃から生真面目なところがあり、妹のマーガレット王女が奔放な性格なのに比べ、派手さを嫌がる質実剛健さを持ち合わせ、子供ながらに落ち着いた面を見せていた。その昔、まだほんの幼い頃にも、チャーチル首相に「まだ2歳なのに、ずいぶん威厳がある」と評されたことがあるほど。それにしても、「ほんのたまにしか、おばあちゃんという気がしない」と可愛い孫から大真面目に言われたら、女王はちょっとショックかも?

5われを忘れるほどの競馬好き

コーギーだけではなく、馬のブリーダーとしても知られる女王。自分の育てた馬がダービーでどのような成績を残すのかは非常に気になるところだ。そもそも、ダービーに出場できるだけでも優秀といわれる厳しい世界で、自分の馬を入賞させるのは至難の技らしい。王室所蔵の映像には、若い女王が貴賓席の1番前に駆け寄り「私の馬!私の馬!私の馬!」と興奮する様子が映し出されているが、それは決してオーバーな表現ではないのである。2005年には調教師の馬「モチヴェイター号」が1位でゴールし、喜びのあまり「やったー」と飛び上がった女王。そのショックでつけていた真珠のネックレスが切れ、周囲に飛び散る大惨事に! それでもなお喜び続ける女王の横で、エディンバラ公はしゃがんで散乱した真珠を拾い集めたそう。また、競馬といえば、お金を賭ける? と思ってしまうが、女王にとっては馬の繁殖や飼育自体が賭けのようなもの。1人1ポンドで賭け、「最高当選額16ポンド」といった遊びは貴賓席内でするそうだが、そういうとき女王は自分の馬には賭けないという話も。

6「不必要な電気は消すように」

© Photo by DAVID ILIFF. License: CC-BY-SA 3.0
英国では、電気やガス代の合計が 年収の1割以上になってしまう家庭を「Fuel Poverty(光熱費貧乏)世帯」と呼ぶが、2011年の光熱費20%値上げの際には、王室の年間光熱費が260万ポンドを超える計算になり、女王とその一家は危うく光熱費貧乏になるところだった。驚いた女王はバッキンガム宮殿内に、「不必要な照明は消すように」という告知を張り出し、女王自身も廊下の電気を消して回ったらしい。公邸であるバッキンガム宮殿の部屋の総数は775室、宮殿勤務者数は約450名。その他にも夏に滞在するバルモラル城や冬に使うサンドリンガム・ハウスなど、私邸も含めていくと大変な電気代になることは確か。

7密かなアーセナル・ファン!?

王室嫌いで知られる労働党党首のジェレミー・コービン氏と、エリザベス女王の思わぬ共通点、それはご贔屓のサッカー・チームがアーセナルだということ。コービン氏は、2006年にエミレーツ・スタジアム(アーセナルのホーム・スタジアム)がオープンした際、女王が腰痛のために除幕式を欠席しなければならなかったことのほか、女王が「密かなアーセナル・サポーター」であると証言している。また、現在チェルシー所属のミッドフィルダー、セスク・ファブレガス選手は、アーセナル時代にバッキンガム宮殿の園遊会に招待された際、女王から「ファンです♥」と告げられたらしい。ハリー王子によると、もともとはクイーン・マザー(エリザベス女王の母君)がアーセナルのファンで、それが女王に飛び火したのだそうだ。

8バッグの中には何が?

王室御用達のLauner。
写真はTraviata leather tote 1550ポンド。
www.selfridges.com
エリザベス女王といえば、常に腕にかかるハンドバッグが有名。200個近いハンドバッグを所持しているといわれるが、そのほとんどが1941年創業の英国ブランドLauner(ロウナー)製。中でもクラシック・トラヴィアータという定番を好み、握手がしやすいよう持ち手はオリジナルよりやや長めに、バッグの中はシルク地にカスタム・オーダーしているそう。家の鍵もオイスター・カードも必要ない女王だが、ハンドバッグの中には何を入れているのだろうか。誰かが覗き込んだ訳でもないだろうが、女王が取り出したものを目撃情報として総合すると、きちんと折った5ポンド札(教会への寄付用)、口紅(クラランス製)、手鏡、ポータブル・フック(テーブルの下にバッグを掛けるため)、老眼鏡、万年筆、ミントのど飴などだそう。携帯電話は「孫にかけたりする」程度なので、バッグの中に入っている可能性は少ない。それがスマートフォンかどうかもわかっていないが、白い手袋ではスクロールもしにくいだろう。

9あだ名は「ガンガン」

幼いジョージ王子は女王を「Gan-Gan」と呼んでいるそうだが、この奇抜な呼び名は広く報道されたので、ご存知の方も多いはず。曽祖母にあたる「Great-grandmother」がうまく言えず「ガンガン」になってしまうのだろうとはいうものの、実はジョージ王子に限らず英国王室では、ひいおばあちゃまは代々皆「ガンガン」と呼ばれるという意外な新事実が浮上。ウィリアム王子とハリー王子もクイーン・マザーのことをガンガンと呼んでいたらしいし、チャールズ皇太子もメアリー王妃をそう呼んでいたようだ。英王室の女性たちがいかに長寿であるかがわかるエピソードだが、「Great-grandfather」であるエディンバラ公が何と呼ばれているのか知りたくもある。現在のガンガンである女王陛下は、ジョージ王子やシャーロット王女が泊まりにくる日は、部屋にちょっとしたプレゼントを用意しておくのが常だそうで、ひ孫たちを喜ばせようとする女王の姿が見えてくる。

10女王はスピード狂!?

女王は現在もランド・ローヴァーやジャガーを自ら運転する。1998年にサウジアラビアのアブドラ皇太子を助手席に乗せ、スコットランドのバルモラル城敷地内を自ら案内した際は、ものすごい音を立てて爆走し、皇太子を縮み上がらせたというエピソードがある。第二次世界大戦中は英国女子国防軍の一員となって、他の女子たちと同等の訓練を受けた女王。当時は軍用車両の整備や弾薬の管理に従事し、軍用トラックの運転もこなしたという。こうした経験から、車の運転はいわばプロ級。法律で女性の運転を禁止しているサウジアラビアの皇太子への、ちょっとしたイタズラ心もあったのかもしれない。昨年には、ウィンザー敷地内の公園で芝生に乗り上げてまで歩行者を追い越して行ったジャガーの運転手を見たら、何と教会へ急ぐ女王だったという武勇伝もある。ちなみに女王は免許証や車(公用車)のナンバー・プレートは持っておらず、パスポートも必要ないのだそう。

11歴史ドラマの間違い探しはやめられない!

第一次世界大戦前後の英国を舞台に、カントリー・ハウスでの貴族と使用人たちの生活を描き、大ヒットしたドラマ『ダウントン・アビー』。シリーズは昨年終了したが、女王はこのドラマの大ファン。とりわけ楽しいのが、ドラマの中で使用されている小道具の時代や使い方が間違っているのを見つける、あら探しだという。例えば、大佐が胸につけているメダルの並び順が間違っているとか、時代の違うものをぶら下げているなど。女王はダウントン・アビーのロケ地となったハンプシャーのハイクレア城に何度もゲストとして訪れたことがあるので、なおさら楽しめた模様。なお、チャールズ皇太子の妻であるカミラ夫人もこのドラマのファンだそうで、嫁姑の話題作りにもかなり役立ったはずだ。

12物まねが得意?

女王は若い頃から、有名人や政治家の話し方などを真似しては、家族を笑わせていたという。地方のアクセントを真似るのも得意で、スコットランドのアバディーン地方や、サンドリンガム・ハウスのあるイングランド東部ノーフォークなど、強いアクセントを持つ方言の真似も「素晴らしく上手」と、女王の従姉妹のマーガレット・ローズさんが語る。ちなみに、アバディーン方言はドリック方言とも呼ばれ、この方言で詩が書かれたり聖書が翻訳されたりと、単なるアクセントには止まらない、スコットランドの文化の一端を担う。また、女王がどんな有名人や政治家のマネをするのかは、それを言うと角が立つということで、特定の人物たちの名前は残念ながら公表されていない。例外は、女王の気丈な性格がわかる(13)を参照!

13サッチャー首相とファッション対立?

© Bogaerts, Rob / Anefo
1980年代、鉄の女の異名をとったサッチャー首相は、エリザベス女王とはあらゆる面で異なる価値観を持ち、2人は終始相容れることがなかった。とはいうものの、英国首相は毎週1回宮廷へ出向き、女王と会談するのが昔からの習わし。サッチャー首相は、女王が常に自分より早く現れ、部屋で彼女を待っていたと語り、そのプレッシャーを苦々しく思っていたようだ。女王は女王で、ユーモアを介さずレクチャー好きの首相に辟易し、サッチャー首相の話し方を「50年代のシェイクスピア役者みたい」と評し、家族の前で真似して見せていたとか。ただし、英国の女王と首相という立場上、並んで式典に出席することも多かった。あるとき、「どうです、女性同士お揃いの服を着て出席しては?」という外部の心ないアドバイスを受けた女王が、どれだけ怒ったか想像に難くない。

14秘密のサイン

式典やパーティーへの出席など、大勢のゲストと会う公務が多い女王。そんな中でいちいちお付きのスタッフを呼びつけて耳打ちせずとも、スマートに自分の希望を伝えるため、女王は野球のキャッチャーのようにいくつか秘密のサインを持っている。もちろん、グーやチョキを出すのではなく、普通の人なら見落としそうなさりげない動作だ。ハンドバッグを持ち替えたら「(この人の話、長くて退屈だから)先に進みたい、次に移りたい」、テーブルの上にハンドバッグを置いたら「5分以内に退席したい(ので迎えに来て)」、指輪を回したら「(こちらに来て)話を盛り上げて欲しい」という意味なのだそう。先月は、某国の代表団一行が「無礼」だったとの会話がテレビカメラの映像に映し出され、全世界に流されてしまった女王陛下。これからますます秘密のサインが複雑になるかも…。

15ワードローブの29%はブルー

© HER MAJESTY QUEEN ELIZABETH II 2016
妹・マーガレット王女の結婚の際に、女王が身につけたドレス。
このドレスを含め、膨大なコレクションを誇る女王のワードローブの中から約150点を
紹介する「Fashioning a Reign: 90 Years of Style from The Queen's Wardrobe」が、
3宮殿(ホリールード・ハウス宮殿、バッキンガム宮殿、ウィンザー城)で現在開催中。
はっきりした色彩のスーツとそれにマッチした帽子、ハンドバッグが、昔から女王の定番ファッション。身長160センチと小柄な女王は、公務のときは5センチのヒールの靴を着用するそう。また、野外での式典の際にはスカートが風でめくれないように裾に重りを縫いつけたり、透明傘のふち部分の色をスーツに合わせたりと、細かいテクニックも駆使しているのだとか。年齢が上がるにつれ、スーツの色が大胆になっていくのは自分の姿を引き立たせるため。『ヴォーグ』誌の調査によると、女王のワードローブの29%はブルー系で、似合うだけではなく、お好みの色のよう。次がグリーンの11%、ピンクとパープルが10%と続き、最下位はベージュ。女王は上品にきちんとして見えるコツを聞かれ、「両足首をいつも同じ方向に揃えていればいいのよ」と答えている。簡単なようだが、長年の訓練が必要かも…。

女王陛下のハードな1日

90歳を迎えた今も現役で公務にあたる
女王の日々はどんな感じ?
各メディアで紹介された情報を集め、1日を追った。

7:307:30 起床

まずお茶。トワイニングのアールグレー(イングリッシュ・ブレックファストという説もあり)を、砂糖なし、ミルク入りで1杯とマリー・ビスケット(リッチ・ティー・ビスケットに似たお菓子)。入浴など、身支度開始。

8:308:30 朝食

エディンバラ公と宮殿の庭を眺めながら。お好みはパディントン・ベアと同じくマーマレード・トースト。コーンフレークはタッパウェアに入ったものがテーブルに置かれる。新聞に目を通す。

9:009:00 公務開始

朝を告げるバグパイプの調べでスタート。1日平均300通の手紙が女王の元に届くので、その処理。そして赤い箱に入った政府の重要な書類への署名、外国からの要人や新任の公職者への謁見など。

13:0013:00 昼食

通常は1人でとるが、お付きの女性を招くことも。2ヵ月に1度はエディンバラ公と共に数人のゲストを招く。ランチ後にコーギーの散歩に出ることもあるが、大抵は学校や病院の除幕式など、イベントに出席。

17:0017:00 ハイ・ティー

サンドイッチやスコーン、そして女王の好物ダンディー・ケーキ=写真=など。パン屑はコーギーたちのものに。

レーズン、オレンジ・ピールなどを用いたスコットランド・ダンディー発祥のフルーツ・ケーキ。一般的なフルーツ・ケーキに使われる砂糖漬けのチェリーが嫌いだったスコットランド女王メアリーのために、作られたのが始まりとされる。
© R Gloucester


18:3018:30 再び公務

ハイ・ティーの後、夕食まで再び公務。その日の国会のレポートを読み把握。毎週水曜日には首相が状況説明のために訪れる(「The Audience」と呼ばれる)。

19:3019:30リラックス

ゲストもなくパーティーへの出席もない場合は、着替えてリラックス・タイム。エディンバラ公とテレビを観たり、クロスワードパズルに興じたりする。食前酒の後、テレビを観ながら夕食。今でも再放送されている古典コメディ『Dad’s Army』やタレント発掘番組『X Factor』、そしてクリケットの試合などを観るのがお気に入り。この後、寝るまで再び書類に目を通すこともあり。23:00 就寝。

祝賀ムードを味わいたい!

12日のストリート・パーティーのために用意されているピクニック・ハンパー(マークス&スペンサー)。ピムスやPGティップスなど、英国らしい飲み物も付いてくる。エリザベス女王が生まれたのは4月21日だが、この日とは別に、公式の誕生日がある。18世紀、君主の公式誕生日は毎年6月の第2土曜日と定められ、以来この日にパレードを行い大々的にお祝いするのが伝統となった。ちなみに、6月が選ばれたのは「晴天になる確率が高いから」といわれている。今年の公式誕生日は6月11日。
各地で大小のイベントが開催されるが、ここでは代表的な3つを取り上げた。

6月10日(金)11:00~
セント・ポール大聖堂での礼拝

公式誕生日の前日、王室関係者が集まり感謝の礼拝を行う。この日のために新たに作曲されたという聖歌が、大聖堂付属の合唱団によって披露される。作曲はジュディス・ウィアー、歌詞は、女王の誕生した年に詩人ロバート・ブリッジズによって作られた詩篇を元にしているそう。一般の人々は聖堂内への入場はできないが、この模様はBBC1で放送される。なお、この日は95歳となるエディンバラ公の誕生日でもあり、ダブルでおめでたい1日。

6月11日(土)10:00~
トゥルーピング・ザ・カラー

王室一家のほか、英国の政財官各界の賓客を迎えて行われる式典、「トゥルーピング・ザ・カラー(Trooping the Colour)」(軍旗敬礼分裂式)。英王室軍による華麗な軍楽パレードが有名で、バッキンガム宮殿から式典の会場であるホースガーズ・パレードまで、式典の終了後には再びバッキンガム宮殿までを大行進する。宮殿に戻った王室一家は、英空軍による祝賀飛行を観覧するため、午後1時頃に宮殿のバルコニーに姿を表す。沿道に設えられたパレード見学席のチケットはすでに売り切れだが、宮殿前の大通りザ・マルからパレードを眺めることも可能なほか、BBCでも放送予定。

6月12日(日)10:00~16:30頃
ザ・マル・ストリート・パーティー
(ザ・パトロンズ・ランチ)

バッキンガム宮殿前の大通りザ・マルに1万人分の招待客用テーブルと椅子が用意され、巨大なストリート・パーティーが開催される。そのうち2000人分は、抽選で参加資格を得て、150ポンドのチャリティー・チケット(ピクニック・ハンパー付き)を購入した一般市民たちだ。このパーティーにはエリザベス女王も参加し、特設の席で皆とランチを楽しむ予定。サーカスやバンド演奏なども昼12時から繰り広げられるという。参加したいけどチケットがない! という人は、セント・ジェームズ・パークとグリーン・パークにビッグ・スクリーンが設置されるのに加え、パーティーの模様がBBCで放送されるので、これを見ながら各自ピクニックを楽しもう。ビッグ・スクリーンの見える場所は結構混み合うと予想されるので、早めの場所取りをお勧めする。なお、このストリート・パーティーは雨天決行。念のため傘や雨具は用意して。さらに、家の近所でコミュニティによるストリート・パーティーが開かれる可能性もあるので、各区や市役所のサイトなどでも確認を。
 

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