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食料の「無駄捨て」をなくす!
取り組み拡大中

Food Waste Zero

■「買ったはいいけど、使い切れずに生ごみに…」という経験は誰にでもあるのではないだろうか? 全世界の約3分の1の食料が廃棄されているという統計が出されており、英国をはじめ各国では無駄をなくす運動が展開されている。ロンドンでも新しい試みが始まり、注目を集めている。

1月28日、ロンドン西部のノッティング・ヒルにオープンしたのは、「Food Waste Zero」を掲げたベジタリアン・レストラン「Tiny Leaf」。自然派食品販売チェーン「Planet Organic」や国内大手のオーガニック食品卸売「Langridge」と協力し、大きさや形が規格に合わないことなどを理由にこれまで捨てられてきた野菜を有効活用した料理を提供する。
席に案内され、まずはスタッフ一押しのコールドプレス・ジュース(4ポンド/野菜の栄養素が損なわれないように低速でじっくり絞って作られるジュース)から。毎朝運ばれてくる食材によってレシピは異なり、筆者が訪れた日は、「ケール&きゅうり」と「オレンジ&マンゴー」の2種類が用意されていた。いかにも体によさそうな前者を飲んでみると、新鮮なきゅうりの香りと、ケールの苦味が口の中に広がり、「訳あり商品」で作られたとは思えないほどの滋味が感じられる。「当店で使われる素材の見た目は『ブサイク』ですが、立派なオーガニック野菜です」と話すスタッフの言葉にも素直にうなずける。

木製のテーブルや椅子、植物が配置され、ナチュラルな雰囲気の「Tiny Leaf」の店内(住所:209 Westbourne Park Road, W11 1EA ウェストボン・パーク駅から徒歩でおよそ6分 。www.tinyleaflondon.com

コリアンダーとチリがアクセントになったオープンサンド「Crushed Avocado & Chilli」

ケール&きゅうりのコールド・プレス・ジュース

ランチ・メニューからは「Crushed Avocado & Chilli」(9ポンド)を注文。こんがりと焼かれたトーストの上に、つぶしたアボカドと細かく刻んだフレッシュ・チリを混ぜ合わせたものを乗せ、さらにその上に卵(ポーチトエッグ、スクランブル・エッグなど、調理法は好みに対応)を重ねたオープンサンドが運ばれてきた。チリに加えて、刻んだコリアンダーがアクセントとなり、シンプルながら飽きさせない味わいだ。
共同オーナーのひとりで、シェフのジャスティン・ホーン氏は、「まずは無駄が何かを知ること。それによって、どれくらい無駄を生み出しているかを知ることができる」と、コンセプトの背景を説明。「食料問題を知るとともに、食への新しいアプローチを楽しんでもらいたい」と意気込みを語る。

パンを使って作られるビール「Toast」。ジェイミー・オリバー氏も推奨!

一方、「無駄捨て」は青果物だけではない。英国民の生活に欠かせないパンは、廃棄される食材の中で最も多い品目とされ、家庭で無駄に捨てられるパンの総量は、1日あたり2400万枚に相当するという。これに着目し、食料環境問題に取り組む団体「Feedback」が1月28日に発売したのが、エールビール「Toast」(3ポンド)。ベーカリーや惣菜店などで売れ残ったパンを原料にして醸造される。
キャラメルのような甘く苦い風味と、ホップの香りのバランスが見事な飲みやすいビールで、セレブシェフのジェイミー・オリバー氏も自身の番組で取り上げ、推奨している。
同団体は、家庭でも残り物のパンで醸造できるよう、ビールのレシピを公開予定。自家醸造となると大掛かりだが、食料問題を考えるいいきっかけになりそうだ。


(写真・文/本誌編集部 西村千秋)

 

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