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テート・モダン 新館オープン

■ダイナミックに変化する世界のアートシーンに多大な影響を与え続ける「テート・モダン」で17日、新たな展示スペースがオープン。ひと足先にその一部をご紹介したい。

2016年6月16日 No.937

旧発電所を改造して誕生した2000年から16年。テート・モダンが新たな歴史を歩み始めた。大掛かりなインスタレーション展示やライブ・パフォーマンスで人々を魅了してきた吹き抜けの「ターバイン・ホール(Turbine Hall)」、7階建ての展示室「ボイラー・ハウス(Boiler House)」に加え、今回新しく、ターバイン・ホールの奥に「スウィッチ・ハウス(Switch House)」が登場。ピラミットを捻ったような形の外観が目を引くこの新館は、11階(レベル0~10)にわたり、テート・コレクションを展示する4フロア(レベル0、2~4)のほか、アートの実験場「テート・エクスチェンジ」、レストラン、最上階にはロンドンの街並みを360度見渡せる(!)展望室などが設けられている。

新館の設計は、2000年の開設時と同じく、スイスの建築家ユニット、ヘルツォーク&ド・ムーロンが担当。© Hayes Davidson and Herzog & de Meuron

展示は、「Performer & Participant」「Living Cities」など主に4つに分けられ、インスタレーション、絵画、写真、映像に留まらず、ライブ・パフォーマンスをも用い、現代アートの転換期となった1960年代以降、アートがどのように勢いづいたのかを紹介する。

目玉のひとつは、レベル4にある「Artist Room」。初回としてフランス生まれの彫刻家ルイーズ・ブルジョワ(Louise Bourgeois)が選ばれ、晩年の作品「Spider 1994」「Cell XIV (Portrait) 2000」ほかを展示=写真左下。ひとりのアーティストとじっくり向き合える空間が広がっている。

また、西洋諸国だけでなく、アフリカ、中東、アジアからも多くの作品を集めた「多様さ」も見所のひとつ。例えば、レベル3にある「Performer and Participant」に設置された、ブラジル出身のビジュアル・アーティスト、エリオ・オイチシカ(Helio Oiticica)の作品「Tropicalia」=写真右下。同作品は1960年代のブラジルで起こった芸術運動「トロピカリズモ(Tropicalismo)」の名の元となったインスタレーションで、本物のコンゴウインコ(macaw)が作品の一部となるなど、大胆な展示に目を奪われた。

さらに、女性芸術家の作品が多く集められているのも特長。テート・モダン開設時は全体の17%でしかなかった女性アーティストが、スウィッチ・ハウスでは36%、およそ半数の部屋が、女性アーティスト1人に焦点を当てたキュレーションとなっている。

全体の展示数はさほど多くはなく、また休憩スペースが各所に設けられているので、ゆったりじっくりとアートの世界に浸れること間違いなし。

「オープニング・ウィークエンド」として、17日から3日間は午後10時まで開館。テートと新しくパートナー契約を結んだユニクロがスポンサーを務め、ライブ音楽、映像作品上映会、ワークショップなど、アートが身近に感じられるイベントが予定されている。

新館オープンに合わせ、既存のボイラー・ハウスでも展示が一新され、進化を続けるテート・モダン。テートが創り出すアートの新時代の幕開けを、お見逃しなく!

Tate Modern
Bankside, London, SE1 9TG
www.tate.org.uk/visit/tate-modern


(文/本誌編集部 西村千秋)

 

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