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今年はさらに一味違う!

サーペンタイン
夏限定>パビリオン

ハイド・パークに隣接するケンジントン・ガーデンズにある現代美術館「サーペンタイン・ギャラリー」。毎年恒例の夏限定パビリオンが先月10日、登場した。例年よりもパワーアップした試みで話題を呼んでいる。

2016年7月14日 No.941

庭園散策が心地よいこの季節。毎年サーペンタイン・ギャラリー横のスペースにパビリオンが設けられ、休憩スペースとして、あるいは芸術家や作家らによるイベント会場として利用されている。設計にあたっては、世界各地で活躍する建築家が毎年選出され、3月に急逝した英建築家ザハ・ハディド氏が初回(2000年)を担当して以来、中国人芸術家アイ・ウェイウェイ氏(建築家ユニット「ヘルツォーク&ド=ムーロン」と共同、2012年)のほか、日本人では、伊東豊雄氏(2002年)、建築家ユニット「SANAA」(2009年)、藤本壮介氏(2013年)が手がけてきた。
16回目となる今年、パビリオンを設計したのはデンマークの建築家ビャルケ・インゲルス氏。建築構造の基本のひとつである「レンガ造り」を念頭に置き、粘土や石ではなくファイバーグラス(ガラス繊維)による筒状のブロックを用い、それを緩やかな曲線を描くように積み上げた。完成したのは、空に吸い込まれるようにして伸びる構造が特徴的なパビリオンだ。

ギャラリーから数分の場所に4つのサマーハウスが並んでいる。
ナイジェリア人建築家クンレ・アデイェミ氏の作品=写真左、英国人建築家アシフ・カーン氏の作品=写真右=など。
建造物を鑑賞したり、座って庭園の景色を眺めたりと楽しめる。

内部にはベンチが置かれ、ブロックの空洞部分からは外の景色を眺めることができる。明るく開放的な空間はひと時の安らぎを与えてくれる。

パビリオンの横からの眺めは圧巻! 建物と自然が一体となった独特の風景を堪能することができる。

パビリオンに加えて、さらに今年は「サマーハウス」も登場した。ギャラリーから数分の場所にある「Queen Caroline's Temple」(1734年)の周辺に、ハンガリー生まれの建築家ヨナ・フリードマン氏ら4組による4作品が置かれ、「夏を楽しむ憩いの場(サマーハウス)」をテーマに各自がアイディアを膨らませている。素材も形もコンセプトもそれぞれ異なり、鑑賞者を飽きさせない作品が並んでいるので、パビリオンを訪れたらこちらにも忘れずに足を運びたい。
サーペンタイン・ギャラリーによるこの夏の企画は、建築の「実験的な場」としても知られ、今回選出された計5組は36歳から93歳までと幅広い。キャリアの異なる建築家らによる作品を一度に鑑賞できる贅沢さも、今年の魅力のひとつ。庭園散策と合わせて訪れてみては?

Serpentine Gallery
Kensington Gardens, W2 3XA
入場無料/パビリオンは10月9日まで公開
www.serpentinegalleries.org


(写真・文/本誌編集部 西村千秋)

 

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