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コーヒー・グラウンドを再利用!

都会の
キノコ・ファーム

■都会に星の数ほど存在するカフェから廃棄されるコーヒー・グラウンド(抽出かす)を集めて再利用し、キノコを栽培する取り組みが英国の都市部で広がりを見せている。コーヒーを菌床にして育つキノコは、家庭用の栽培キットも販売され、人気を呼んでいる。

2017年3月2日 No.973

南ロンドンのエレファント・アンド・キャッスルにあるフード・マーケットと周辺カフェを、荷台付きの自転車で巡回する兄弟がいる。スペイン出身のシーザーさんとアレッサンドロさん兄弟の目当ては「コーヒー・グラウンド」だ。廃棄されるだけの『出がらし』を無償で貰い受け、近くのファームに運び入れる。ひと月に約400キロの抽出かすを回収し、そこにキノコの菌糸を混ぜ合わせて菌床を作り、オイスター・マッシュルーム(ヒラタケ)やシイタケを栽培。収穫したものは地元のカフェやマーケットに卸し、地産地消の都市型農業を実践している。

シーザーさんはBBCのインタビューに答え、「SE1で排出されるコーヒー・グラウンドを使って、SE1でキノコを育て、SE1で販売する。輸送コストはゼロ、スーパーで売られているキノコよりずっと経費がかからないんだ」と紹介した。

キノコ栽培にコーヒー・グラウンドを使うのは、「カフェが多い」という理由からだけではない。コーヒー・グラウンドには、植物の成長を促す銅、カリウム、マグネシウム、リンなどの成分が豊富に含まれ、保湿性に優れている。さらに、多くの日光を必要とせず、土の畑も不要のキノコは菌床栽培ならば成長も早いからだ。

 

「簡単栽培!」ならばぜひ挑戦してみたい! と、デヴォンの中心街、エクスターで同様の取り組みを行う「GroCycle」(https://grocycle.com)が販売する栽培キット「Grow Gourmet Mushrooms」(17ポンド)を注文し、早速育ててみた。

箱を開けてみると、コーヒー・グラウンドに白いオイスター・マッシュルームの菌糸がびっしり。キッチンで栽培を開始し、開封から14日で肉厚で艶やかなオイスター・マッシュルームを収穫することができた! 収穫物をシンプルにバター・ソテーすると、歯応え抜群で、自分で育てたという愛着から、より美味しく感じられた。ちょっと変わったプレゼントとしても喜ばれそう。

コーヒー・グラウンドの使い道はキノコ栽培だけではなく、乾燥させて靴箱やトイレの消臭剤、そのまま撒いて植物の肥料に、あるいは庭のナメクジよけにもなる。また、猫の糞害に困っているならば、コーヒーの匂いが嫌いな猫が近寄らなくなるとも言われ、実は用途が豊富。もちろん、DIYでキノコ栽培に挑戦してみるのもいいかも。そのコーヒー・グラウンド! 捨てずに再利用してみては? (写真・文/ネイサン弘子)


【1日目】点線に沿って箱の窓を切り取り、中のバッグに×の切り込みを入れて箱から取り出し、バケツにはった水に一晩漬けたら箱に戻して栽培開始。
【7日目】変化が見られず、「失敗したかも…」と不安になり始めた頃、土が少し盛り上がっているのを発見。翌日には約2ミリのキノコのカサを確認!
【10日目】目を見張る成長ぶり! カサが小さいのでしめじにソックリ。ここまで成長すれば一安心。数日後の収穫を待つのみ。
【14日目】感動的なまでに立派に育ったオイスター・マッシュルームをいよいよ収穫! 同じ菌床で1~2回の収穫が可能だという。

 

 

 

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