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ぶらりんぐロンドン

ジャーニー編集部がロンドンの街をぶらりとレポート

レポート/松本大司監督、沖田修一監督の舞台挨拶、2本立て!

英国15都市で開催されている、国際交流基金主催の恒例の日本映画上映会(〜3月29日)。ロンドンでは3日(金)~9日(木)の日程でICAにて行われ、『トイレのピエタ』の松永大司監督、『モヒカン故郷に帰る』の沖田修一監督の舞台挨拶に行ってきました! その様子をご紹介します(一部ネタバレあり)。

『トイレのピエタ』の松永大司監督

まず、2月5日に行われた『トイレのピエタ』の松永大司監督の舞台挨拶(Q&A)。 本作は、漫画家の故手塚治虫が最晩年に構想を練っていた作品からヒントを得た青春群像劇。主役をロック・バンドRADWIMPSのボーカリスト野田洋次郎が勤め、杉咲花、リリー・フランキーほか登場します。

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トレーラーでは「ラブストーリー」と紹介されていますが、男女の恋物語というとちょっと違った印象です。上映後のQ&Aではまずその話からスタート。 松永監督としても「ラブストーリー」という言葉に違和感があったようですが、監督の意志とは別のところ、つまり配給会社の宣伝会議で「ラブストーリーとした方がお客さんが集まる」という理由からそうなったとのこと。松永監督自身ははじめ抵抗したのだそうですが、「関係者のみんなが『この映画を多くの人に見てもらいたい』という思いから意見を出し合って結果なので、最後はみんなを信頼してそれで納得した」という裏話を教えてくださいました。

会場からは音楽に関する質問も。主人公が英国人作曲家エドワード・エルガー作曲による『威風堂々/Land of Hope and Glory(希望と栄光の国)』を歌うシーンがあるのですが、観覧した英国人にとって、「第2の国歌」ともされるこの歌のことが気になったのでしょう、「なぜこの曲を?」と質問。松永監督は、「威風堂々」の日本語の意味を説明し、「主人公が自分を奮い立たせるための歌としてぴったりだと思った」と、挿入した意図を説明されていました。

ちなみに、監督が一番好きなシーンは主人公が森の中で歌うシーンとのこと。撮影中、主人公の足元にしゃがみ、歌を聴きながらボロボロ泣いてしまったという監督自身のエピソードや、号泣する監督の様子を見たカメラマンから「泣きすぎです」と突っ込まれたことなども教えてくださいました。監督の口ぶりから、リラックスした撮影現場だったことが伺えました。

『モヒカン故郷に帰る』の沖田修一監督

そして7日に行われた『モヒカン故郷に帰る』の沖田修一監督。本作は、数年ぶりに故郷に戻った売れないバンドマンを描くコメディー・ドラマ。主演は松田龍平、父親役に柄本明、母親役にもたいまさこなど、個性派キャストが名を連ねています。沖田監督いわく「日本の地方の家庭をテーマに、誰にでもおこりうる家族の問題を描いた」とのこと。

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上映後のQ&Aで、会場からの「この映画を作ろうと思ったきっかけは?」という質問に、10年前に、いとこのおじさんがガンを宣告された際、周りはピザを頼んで好きなことをさせてあげたという経験をもとに、親を看取る状況で笑いのある映画をつくりたいと思った、と答えていました。

この話では親子の物語が描かれていますが、「父親が子供に求めることと、息子が親から学ぶことは、ジェネレーションギャップありますよね?」という質問に、世代間の違いはどの親子にもある、とした上で「ビッグになってほしいという親の願いを、得てして子供は応えられないという状況。それでも親の影響を受けて音楽にたずさわり続けている息子。だから人生は面白い」と、答えられたのが心に残りました。

本作は、悲しいのに笑ってしまったり、笑っているのにどこか悲しげだったりと、悲喜こもごも。これについて、「笑ったり泣いたりを自由に感じとれる映画にしたいと思った。人によって悲しいシーンをコミカルに感じたり、コメディのシーンで泣ける人もいる、そんないろいろな感情の入り混じった映画にしたかった」と話された監督の言葉に深く納得しました。 とても穏やかな雰囲気の監督で、映画の前後は入り口近くに立ち、来館者の質問にも丁寧に答えている姿が印象的でした。

レスター、ノッティンガム、エディンバラなどの都市ではこれからなので、近くにお住いの方はウェブサイトをチェックしてみてくださいね。(編集部Z&C)

The Japan Foundation(国際交流基金)
Touring Film Programme 2017

 

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